日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
56.スービック(フィリピン)
南の島に夏が来た! というわけで先月はマリアナ群島の主島グアムについてのフーゾク情報をリポート。でも、この島はとてもややこしくて、御当地で楽しく遊び抜くには相当旅慣れていないと困難な島なのだ。と言うようなことを記者は先月書いたつもりである。
「エ〜ッ そんなァ。憧れの南の島が、そんなに治安も風紀も乱れていて、まるで行かないほうがEみたいな言い方はないでしょう」
と思われた読者の皆さんも多いはずだ。
それで40年ほど前のグアムのトラベル・ガイドを引き出してきて読み直してみたら、もっとヤバいことがリポートされていたので感心してしまった。
ガイドブックに曰く、この島の住人であるチャモロ人、カナカ人は全体的に気性が荒くて、すぐ力に訴えようとする。それで拳銃沙汰や暴力沙汰が日常茶飯であるから気をつけるように。それと、島民の多くは酒に弱いのか、酒癖が悪いのか、ともかく酒を飲んでは暴れたがる。だが、酒がいったん抜けてしまうと大人しくなる人が殆んどだ。
と書いてあった。そこで記者は思い出したのだが、当時島のはずれにある某村の村長さんの息子の結婚パーティに招待されたことがあった。普段はニコニコしていてとても優しい村長なのだが酒が入ると、これがまったくイケない。
ニコニコしたまんまで、ピストルを家から持ち出してきては当たりかまわずにブッ放なし始めるのだ。そして、次の日は再びニコニコである。
というのもグアムもサイパンもアメリカの準州であったから拳銃の所持も許されていれば、発射だって当然認められていた。
そして夜になると島内のアチコチが燃料不足のせいで停電になり、より以上に物騒で危険な島となってしまう。ガイドブックの忠告によると夜間の外出は必要最小限度に抑えること。昼の明るいうちにショッピングも観光も済ませておくことを勧めている。40年ほど前の記述だが、今の島内事情とさして違いはない。
そこで、今回はグアムのお隣のサイパンである。この島は現在アメリカとは直接関係のない「コモンウエルス・オブ・ノース・マリアナス」という北マリアナ共和国を名乗っている。
それ故、半分は自分勝手な国であり、半分は資金援助をアメリカに仰いでいる関係上アメリカの言うことも半分は聞いている国なのだ。それでグアムでは駄目なことも、こちらでは出来ちゃうなんてことも。
たとえば、お姐ちゃんとの遊びも一頃はサイパンのほうが華やかだったし面白かった。というのも今から20年以上前に御当地は、たった一軒だけれど縫製工場があった。そこで働く若い女性は全員が中国人だった。
そのうちの数人が、やがて数十人が、そして百人以上がドロップアウトしてガラパンの飲み屋街で客を引くようになった。料金はマリアナ共通の一時間一万円。これは現在でも何処でも変わらない。もしそれ以上請求されたら文句を言ってみよう。でも、お腹にカザッパナを開けられても知らないけれど。
というわけでサイパンには、ゴルフにかこつけたり、釣りにかこつけたりで多くグアムの在留邦人がでかけていった。だが、これも最近はアメリカ連邦が入管を担当するようになって極端な締め付けをするようになり。
サイパン特注の中国娘たちも、その数を減らしてしまいガラパンの街の中を十人前後の小編成の回遊魚群になって泳ぎ回っている。かつて「花王」とか「三和」とか、初めは日本料理屋からスタートした店が、その構えの裏手にヤリ部屋を造って大いに繁盛したのに。
今では、よほどの娘でないと客がつかなくなっている。それにしてもグアムよりかはましである。歳もそれなり若いし、中国東北(戦前は満州と呼んでいた)の地方から出てきたカントリーガールではあるけれど、よ〜く目を擦って眺めてみると可愛さを漂わせている姑娘もいることはいる。
でも彼女たちの多くは商売にならないサイパンをバイバイして他所の南の地や島々へと移動しているようだ。などということをリポートしていると、蒼い海も、青い空もどこかにすっ飛んでしまって、寂しくなってしまう。
南の島は、昼も夜ももっと元気でなければね!
それは何と言ってもフィリピンのスービックでせう。以前から米軍基地として知られていたが、十年ほど前に基地を極端に縮小してしまった。しかし最近の南シナ海の中国が引き起している騒ぎによって、基地が再度強化され復活されることになった。
そうなると、もう今から基地景気を当て込んで女の子たちが集まりだしているのだ。その人気ぶりは、ベトナム戦争時期のタイやフィリピンの基地フーゾクを思い出させるほどである。まだ知名度は極端に低いけれど、数年間で南アジア随一のセックス・ゾーンになること間違いなし。
参考までにスービックに行くベスト・ウエイは、アシアナ航空を使って釜山経由で行きませう。これだとマニラを通らずに直接目的地にまで行けるからだ。そこには燦々と輝くトロピカルな海と青い抜けるような空と、ニッコリ微笑んで話しかけてくる南国娘がバッチリいるのである。まだまだ南国そう捨てたもんじゃない! バンザ〜イ!