日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
43.弘前(青森県)
無農薬でリンゴを育てる映画の「奇跡のリンゴ」が話題になっているとか。何だか面白そうと思った記者は映画館に行くつもりが間違って、日本一のリンゴの産地・青森県の弘前市へ行ってしまいました。
そりゃあ映画で観るだけよりも現地に行って実物に噛り付いたほうが楽しいでしょう。それに、まかり間違えばリンゴのような撓(タワワと読みませう)に実ったオッパイの持ち主とも仲良くなれるかもしれないと、淡い期待というかエッチな期待を胸に弘前にまで来てしまった。この書き出しの部分は、どうもウソ臭い、と書いている本人自身が思っている。為念。
で、マジな話をしよう。東京からだと東北新幹線に飛び乗って青森まで行き、そこから車で一時間ほどで弘前に到着する。何とも便利になったものである。 なんてなことを書いていたら、後ろから記者のデスクワークを覗いていた子分が「え〜ッ、弘前ですかァ。あんなところに(失礼。子分がそう言うものだから、そのまま書きました。他意はありません)何か面白いフーゾクがあるんですかァ〜?」と尻上がりにトーンを上げながら聞いてくるのだ。
「アホめ!」記者は大音声を発して子分を一喝したのである。「未熟者め!弘前にこそ世にも隠れた裏のフーゾクがあるのだ。俺が時々リンゴの籠を持って帰ってくるだろう、あれはいつでも弘前への隠密行の帰りなのだよ」と。
記者は、書きたくはなかった。弘前の、とても大好きなフーゾクについては。でも「奇跡のリンゴ」が話題になってしまったからはチョットだけ書いちゃうことにしよう。
以前から御当地の事情に詳しい人なら、街の中にある紙漉町(かみすきまち)のチョンの間風の旅館とかお隣の鍛冶町(かじまち、かじちょう)の本サロなどについては先刻御存じのはずだ。しかし記者は違う!
ちょうど今どき、あのリンゴの白い花が撓に咲き乱れている5月の末から6月にかけて。記者は弘前の郊外にある某旅館というよりも某宿と呼んだほうが良いような某所に泊まるのである。そして宿の窓の縁に腰掛けながら、心弾ませつつ外を眺めるのだ。一面に白い花咲くリンゴ畑の向こうには津軽の象徴ともいえる岩木山がそびえている。
その下をくぐるようにして一台の真っ赤な自動車がこちらを目指して走って来る。運転をしているのは、大抵がつい最近まで東京なり仙台なり、ときには札幌などで仕事をしていて、地元に帰ってきた二十代半ばほどの妙齢のご婦人である。女の子は変われど、いつも決まってそうである。
「ごめん下さい。あのォ、半年ほど前に山田さんと一緒に伺った佐藤と言いますが。また遊びたくて来たんですけど」名前は何でもEのだ。大切なのは、あらかじめ同じ内容を電話で入れておくこと。そして、次にその宿に行くことだ。おそらく初めのうちは、宿のオヤジさんなりオカミさんは空ッとぼけるだろうが、やがては「ああ、あのォ」てな具合で調子を合わせて部屋に案内してくれる。
ところで、全くの初めての時には、どうすればEの?記者は御当地の職業別電話帳を首っ引きで引いて、何軒も電話してようやく秘密の花園を発見したのである。このような裏のフーゾクへのアプローチぐらい面白くて楽しいものはない。ワクワク、ゾクゾクする。まさに裏フーゾク遊びの醍醐味である。
それも大抵の場合が呼んでくれる子は、何処でどうやってこれほどの津軽美人を見つけてくるのだろうと首を傾げたくなるくらいの粒揃いのお嬢ばかりなのだ。
聞けば「一か月前まで東京にいたんです。でも何だか疲れてしまって、それで家に帰ってきちゃったの。そうしたら今度は暇で暇でそれで秘密のアルバイトっていうわけ。ウフフフ」である。それにしても、記者はかれこれ二十年以上も御当地に通っているのだが、女の子にハズれたことは一度もない。
そして呼んでもらった彼女と、昼の明るいうちから宿で用意してくれた地酒、たいていは地酒の「初駒( ハツコマ)」を、差しつ差されつ楽しむのである。一度などは女の子に惚れてしまって四日間ほど居続けたことがあった。その三日目の昼下がりなどは、窓を明け放して遥か「おイワキヤマ」を望見しつつ「わかめ酒」などをば味わったこともある。マジな話。
これで、酒と肴代に宿代がついて1万5000円〜2万円ほど。ここで〜≠ニいうのは肴代が時価というか変動相場制(?)なので若干の変化があるからである。それでもって、彼女へのお礼≠ヘ1万円でOKだというのだが、それでは俺の感謝の気持ちが伝わらないと、いつもはプラス大一枚を添えることにしている。
そうなのです!「奇跡のリンゴ」もEけれど「奇跡のオOコ」というのもかなりEものです。