日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
35.博多(福岡県)
暑かった夏が過ぎて気がつけば秋になっていて、ともかくもバンザ〜イ!
それが、秋を迎えたところで立て続けに面白い目に二度会った。一回目は九月の終わり頃のこと、場所は浅草の吉原で。
この日は、いつもより早い昼の取材を終えて午後の4時には千束通りを浅草六区の“煮込み通り”にある行きつけの飲み屋へと移動を開始していた。
すると浅草5丁目のバス停というか吉原の街を出たか出ないかという近間で声をかけられた。それも、見るからにアラフォーと言えそうな、でも見場のよい熟女がこちらに向かって「ねぇ 遊びません」だって。
いきなしである、それもまだ日のある夕方前のこと。記者生活40年の当方にとってさえ、こんな場所でこんな声掛けははじめてである。
つまり単独営業の立ちんぼうサンなのであろう。それにしても遊びの本場の目と鼻の先での営業とはビックリした。ちなみに、お値段を聞いたら時間制限なしの3万円ということだった。
で記者はどうしたかって?その時は、まだ明るいうちから一杯やりたくて、彼女の申し出を丁寧にお断りして“煮込み通り”への道を急いでしまった。でも今から思い返してみると、なんだかもったいないことをしたようにも思える。
さて10月に入ってすぐのこと、今度は九州は博多の駅前である。ロータリーに面したコンビニで、喉が渇いたからカルピスソーダを買って店の外に出たとき、これもまたいきなし声をかけられた。「あのぉ 遊ばない?」見ると身長160センチぐらいのスラリとした美人がニッコリ微笑みながら立っていた。
決して中洲ではありません。まして、ご当地の立ちんぼの本場の春吉町でもありません。ここは新幹線が発着する博多駅の真ん前のロータリーなのです。
というわけで記者は、この一ヶ月足らずのうちに二度も妙齢のご婦人に声をかけられたのである。それも思ってもみないような場所で、それも唐突になのだ。これを称して「犬も歩けば棒に当たる」ということなのでしょう。街を歩くことはEことだ!
そしてもちろんのこと、浅草ではビックリし過ぎて事に至らなかったという若干の反省を踏まえて、博多での声掛けには素直に応じた記者なのでした。
九州随一のフーゾクの街・博多では立ちんぼフーゾクは、以前からある伝統的なお仕事なのだ。それでも、この職業が多くあるのは、やはり中洲の隣りの春吉橋を渡った当たりの一画である。
こちらでは、夜になると女の子たちが、何処からとなく集まってきては街角だとか電信柱の影だとかで客を拾う。その立つ場所は取り決めがあって、毎晩少しずつ位置を変えていく。これ公平を期すためである。
なのに、そこにいるお嬢ちゃんたちよりも数段美人の女の人が駅前で、いきなし仕事をしていたのである。それも、彼女のお値段は、なんと1時間で2万円だという。ありがたいことである(体験者の個人的な感想であります)。
彼女とのプレイというか一発は、ラブホではなく駅近くのビジネスホテルの一室で厳粛に執り行ないました。まず記者がフロントに行ってシングルルームをとって。その合間に彼女はスルリとホテルの中に入ってエレベータールームの前でこっそりと待っていた。その手際の良さから見て、常習的な立ちんぼサンだということが分かった。
となると、なにも中洲にまでタクシーを飛ばして行くまでもなく駅前でことが済んでしまうという次第だ。実にコンビニエンスである。ただし、彼女がいつでもそのあたりで仕事をしているとは限らない。
その上、病気で休みの時もあるだろうし、客がついてしまってホテルにしけ込んでしまっている時もあろう。記者が注意してみた限りでは、彼女の他にまだ人がいるようには見えなかった。あくまでも単独営業のようなのだ。
だから運が良ければ出会えるというもの。まさに、犬も歩けば様式である。フーゾク遊びには、このような思ってもみないような意外な出会いというか発見があるものだ。
吉原と博多所は違えど、それなりのグレードの女性が、こっそり人知れずにエッチな仕事に励んでいるのである。特に博多のほうのお姐さんに限っては、ぜひもう一度お手合わせをお願いしたいものである。それほどのモノを隠し持っていたのだ。
ああ年内に、もう一度博多へ行ってみたいものである。何とか旅の仕事が舞い込んで来ないものかなぁ。と考えている記者の毎日なのです。
立ちんぼという職業は、全国どこにでもある。ただそれに上手く遭遇できるかどうかは運次第のところがある。でも日頃から気にかけていると、必ずやタイミングよく出くわせるようになると思えるのだが。