日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
31.川反(秋田県)
秋田にぶらりと行ってみた。花の季節の東北は素敵でいいけれど、そのあとの次第に緑が濃くなってくる時季の東北はさらによい。
でも筆者は、これまでに秋田だけを目指して何の用もなく出かけたことは一度もない。友人の家を訪ねるとか、別の友人の結婚式に出るとか、釣りで行くとかである。
はっきりいって、遊びだけで行ったことは一度もない。これまでに秋田についてのフーゾクで面白いと思えるものは現在に至るまで皆無といっていい。
それが、今回のぶらり旅でゴロリ筆者の秋田フーゾク観がひっくり返ったのだから、犬も歩けば棒に当たる、なのだ。
とはいうけれど一度あるフーゾクに出会っただけのことであって、それ以外の秋田がどうであるかは、まったく分からない。
これまで筆者にとって、ご当地のフーゾクといえばソープランド百パーであった。ほかに面白いものがまるでないのだ。この街のフーゾク街と言えばお城の近くのというより警察署のほうがズーッと近いと言うか、川反(これでカワバタと読みませう)にあるソープランド街である。
実は、ここ以外にもちょいと離れたところにある山王地区の飲み屋街のなかには、それなりの地元のスケベにしか知られていない隠れスポットがある。でも教えない!
さて、それでは川反のソープランドに直行かと言えばそうではない。ましてクソ面白くもない秋田のデリヘルなどは目でもないのである。
それにしても、今や全国何処にでもあるデリヘルというシロモノどうして、ああ面白くないのだろう。百パーセント商売なのだから仕方がないか。フーゾクというのは、男と女の出会いの場なんだよねぇ。江戸の昔から。
だから、そこには会話もあるし、心のやりとりもある。でも調子に乗りすぎると大ヤケドをすることも。だから面白い。フーゾクの醍醐味だ。それらを全て、かなぐり捨ててしまったら単なる商売になってしまう。
さて話は秋田での楽しいお遊びである。ただしこんな体験が、そうそうはあるとは思わないで欲しい。というのも、筆者ですら年に一、二回あるかどうかなのだから。逆にいえば、だからこそ探せでもあるのだが。アナタは一体どちらを取る?
街のなかで聞く話、友人から知り合いから、それとも電車で隣り合わせた人の会話から。今回は、それほど親しくはない知人からであった。「川反のなかの、それも最高級と見られるような会員制クラブに女の子を紹介してくれる店がある。条件は、地元の名士か口の固い(えっ、筆者は?口は固いけどペン先は柔らかい)旅人だという」
このような話を聞くと俄然ファイトを燃やす筆者である。早速、日が落ちるのを待って川反へ。それにしてもいくら規模は小さいとは言っても、さすがは秋田ピカ一のフーゾクガイである。そこにある雑居ビルだけでどれほどあるのか。このなかから目星をつけて目指す店を探し出すのである。
これ大変なことと思われるかもしれないが、筆者のように十年一日同じことをやっていると。店を探す前に、大抵の見当が付いてくるものなのだ。
高級クラブから眺めてみる。やはり外観は大事だ。ここいらで、まずピーンとくるものがあったら。そうしたら臆せずドアを押してなかに入ってみる。
客と思って店のスタッフが応対に。その態度をじっくり見る。まず断ってくる店が、第一候補である。「どうぞ、いらっしゃい」の店はパス。会員制をしっかり売り物にしているところでなければ目指す店ではない。
「あっ、半年くらい前かな山田さんと一度来たヨシダというけれど。また出張で来たものだから」と説明をしながら店のなかをしっかり調べる。これが大切。
またそこでのママなり、黒服の対応ぶりも判断材料に。ここで「さあどうぞ」も軽すぎるのだ。それと見て大切なのは女の子の数である。なにもデートクラブではないから、営業中の連れだしは絶対にないけれど。それでも数がそろっている店。
こんなのでと思うだろうが、現在地方で高級クラブを維持するのは大変なこと。皆さんそれぞれ営業努力をしているのだ。
それで目星をつけたら店にチン入だ。ゆったりとしたソファに腰掛けてギャルとお話だ。そのうちにママかチーママがやってきて、ご挨拶。その時に、それとなくオキニの子とアフターを楽しみたいな。と持ちかけてみる。
呼吸のわかっているママなら、きっちり手配をしてくれるものだ。こんなクラブが川反には二、三軒あるという。
参考までにキープ・ボトルが7000円〜1万円。店内での飲み代が2万円以下。そして、アフターのお小遣いが2万から3万でOK。つまり5万円以下でソープにも行かず、デリのお世話にもならずに楽しい秋田の夜を秋田美人と過ごせるのである。筆者にとっても秋田では初めてのことでありました。