日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
29.下呂温泉(岐阜県)
はっきし言って全国の地方都市のなかには、別にこれといった特徴を持たない、ごくありきたりの町が沢山ある。
いま政局でヤイノヤイノと騒いでいる岐阜県の山の中にある下呂市が、その代表選手みたいなもの。何たって話題になるものがないからって、市長選にあたって前田大臣とかいう偉い人が、ある一人の候補のサポートを名乗り出てしまったのだ。そんな偉い人なら、国政よりも下の地方選挙にシャシャリ出てくることもないのにネ。
でもって、そのことが国会で取り上げられて、岐阜県の山の中にある下呂市は町自体とは全く関係なく、俄然話題の町になってしまった。
ここで筆者は考えた、この何たら国務大臣は、確信を持って以上の行動をしたのではないのかと。そうすれば、ここ最近マスコミの表面から忘れられていた下呂の町が大いに話題になるのではないかと。
なにしろ、もう目の前には五月の大型ゴールデン・ウイークがやって来ている。ここらで一発ドカーンとデッカく町の宣伝のための花火を打ち上げないと、また今年も観光シーズンから取り残されてしまうのではと。これ、あくまでも筆者の憶測である。念のため!
それにしても特徴をこれといって持たない地方都市。でも温泉だけは湧いてるよ、などと言う町は何かと大変である。高速道路もなければ新幹線もない。取り立てて騒ぐほどの名物も名所もない。
でも下呂の町はバブルのころは、やたら繁盛した。それは凄かった!何にもないけど、いや何にもないから町は盛り上がったのだ。もちろんエロで。
そう、何も取り柄のない温泉町は、エロを前面に押し出して“町おこし”でもしないことには、ヤバいことになってしまう。その点、下呂は昔から温泉として名前が通っていたこともあって、それなりの男の遊びには困らなかった。
JR高山線で行くしかないご当地は、今の時代の移動のスピードには、チョイ負けている。それに、この間までは町の観光関係者は白々しくも「はいっ下呂は温泉町であって、フーゾク関係の店はありません」などとほざいていた。
町の何処を見て「フーゾク店は一切ありません」なのか。もし、ここで無かったら、とっくのとうに町なんて消えていたろうに。
それを何とか、全国の皆さんの頭のなかに下呂の名前を思い出させるには。国会で揉めることと、エロを売ることしかない!考える人は考えるものである。
それならば、少し不便だけど下呂温泉にいってみよう。これは筆者の憶測だが、この町のエロ度は、この先ビンビン増すはずだ。それは一に町おこしのため。二に、これだけ町の警察も含んで大騒ぎをすれば、警察だってしばらくは静かにせざるを得ないだろう。
要するに、これからしばらくは下呂はエロになり、それを皆さんが眺めるだけで過ごす。しばらくの間とは、町に観光客が詰めかけるようになるまで。
おそらく、大きなホテルや旅館に泊まっていた客に対しても街のなかへ出すことに緩くなるだろう。これまで大手の宿泊施設では宴会からクラブからパブにいたるまで全て自らの建物の中に用意している。一度パクった客は外部に出さず、全部お泊りのハコのなかでお金を使わせてしまおうとセコいことを考えてきた。もちろん女も宿お抱えである。
これが歓楽温泉がつまらなくなった原因である。温泉町の楽しさは、湯上りを風に当りながらブラリブラリ散歩するのもあるではないか。アッチを覗きコッチを眺めてブラつく面白さである。
そこでエロ温泉ではなくて下呂温泉だ。以前は、日帰り客も含めると年間で250万人もの人たちが遊びにやってきたという。いまでも町なかには百軒弱の宿が立ち並んでいる。
ということは、もちろん内緒でだがエロのほうもある。一番手っとり早いのは芸者とコンパニオンである。どちらも宴会の際に、話をつければ二時間で2万5000円ぐらいでOKだ。ただし気をつけるのは、エッチは改めてのスタートなので、変に延長料金を付けられないように。それとラブホ代が必要だということである。
ここで話がまとまらない時は、外に出てタクシードライバーかポン引きのオバアちゃんに連れ出しスナックか一発屋に案内してもらおう。こちらも料金は2万円が相場である。ただ言い値で話に乗ってはダメ。必ず値切ることである。このやり取りなくして歓楽温泉のエロ遊びはない。それに実に楽しいのだ。
下呂が変なことで照明をあてられた。ここ当分はイロイロな意味で注目の温泉場になるだろう。手段方法は何でもいい。客を多く集めた所が勝ち組なのだ。