日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
都市には都市の顔がある。
北陸の中心、金沢には長い歴史に培われた落ち着いた古都としての佇まいがある。
冬ともなれば降りしきる雪によってすべてが覆いつくされた真っ白な世界が、あたりにひろがり、金沢はレトロでメルヘンな世界になってしまうのだ。
こんな金沢では、やはり温かい酒と人肌が無性に恋しくなってしまう。
そのせいかどうかは分からないが、この二つがその昔から揃っているのだ。それもかなりなグレードの高さでだ。
まずは酒のほうから探してみると記者の大好きな地酒がいくつもある。
たとえば、いずれも白山市の酒なのだが「天狗舞」「菊姫」「萬歳楽」なんてところが金沢のと言うより加賀の酒として、すぐに名前を挙げられる。
日本三霊山の一つとして知られる白山から流れ出る銘水で造られるご当地の酒のことを加賀の菊酒と呼んで、
中世の昔から珍重されているのだが、なかでも「天狗舞」の『吟こうぶり』と「菊姫」の『黒吟』は記者の大好物である。
参考までに『吟こうぶり』は1升ビンで2万1000円(現金正価)もするので記者は年に一、二度ぐらいしか飲むことができない。
そんなわけで、こんな上等な酒をこっそりヤっつけてから雪の金沢の街へと繰り出す。
でも寒いねぇ!出かける前には忘れずに。いったい何を?ともかく行き先を決めておこう。でないと温かい人肌に出会う前にカゼをひいてひっくり返ってしまう。
目指すところは、昔からの花街『にし茶屋街』のすぐ隣にある石坂に決めましょう。
この石坂は「いしざか」とは読まない。読みは「イッサカ」である。どうしてそう読むのかは、単なる遊客に過ぎない記者には分からない。
この石坂というところ、今から十数年前までは古都・金沢とは、およそイメージが結びつかないほどに過激な色街だったのである。
なにしろ街のなかを歩けば、ズラリと並んだスナック風、小料理屋風の店先で客引きをする女の子たちから猛烈なアタック攻勢を仕掛けられるのだ。
もうかじり付いてくるというか、抱きついてくるというか。こちらの腕をつかんだら放さない!という具合で自分のお店に引っぱり込もうとする。
それがまた、こんな強硬手段に訴える彼女たちの多くがいわゆる金沢美人とでも言おうか美形揃いなのであった。
ただ、これは後で分かったことだが彼女たちを金沢美人と思ったのは大いなるカン違いであって。石坂の女性の半数以上は全国区なのだそうで、各地から集まってきた選抜チームとのことであった。
それにしてもツブが揃っていた!そのうえ客の引き方でも分かるように、とにかくお仕事に一生懸命なのである。そのうえ皆さんスケベなのでした。
こんな北国の素敵な遊び場も、その素晴らしさゆえに当局からのキツーイ締め付けで今では青息吐息の状態になってしまったと思っていたら。ところがドッコイ生きていた!
たしかに街のなかの店は極端に減ってしまい、あの強引な声かけも無くなってしまい、かつての『ちょんの間』も既にないのだが、代わって現在ではポン引きによるラブホ利用のフーゾクがしっかり根付いているのだ。
いまとなっては灯りの少なくなった街の中を歩いてみると、いつの間にかスーッと近づいてきて静かに声をかけるポン引きのオバちゃんがバッチリと街を支えているのである。彼女たちに話しかけられたら、その場で軽く好みのタイプとか料金とかの商談をしてみる。
そのうえで納得できたら、しかるべき所へ連れて行ってもらう。しかるべき所とは、大抵がスナック風であったり小料理屋風であったりする店である。そこでものの5分も待っているとオバちゃんが2〜3人の女の子を連れて戻ってくる。その中からオキニの子を選べばよいのだ。
これ以外にもいきなり店に飛び込んでみて、そこのママと話をつけてもよいのだが、なにぶんにも見知らぬ土地で、いきなり初めての店に入っていって女の子を選んで商談をまとめるというのは、さすがにキツイと思う。
さて気になるのがご当地での最近のお遊び代になるけれど、これは30分のプレイ時間で2万円ぐらいが相場となっている。なお料金のなかにはホテル代も含まれている。そこにプラス1000円とか2000円とか上乗せされることもあるようだが、そのような時には、もう少し突っ込んで商談をしてみよう。そうすれば道は開ける。ついでにアナも開けるかもしれません。
石坂のポン引き系フーゾク以外で、金沢での注目は、やはりなんといってもデリヘルである。こちらは、さらにグレード・アップされたギャルたちがウヨウヨいるからたまらない。おそらく質の高さでは全国でもベスト3に入るのでは。参考までに、こちらは2万5000円からと思っておけば無難だろう。
それにしても雪のシンシンと降る古都の旅先でお嬢といたす秘め事はなかなかオツなものであります。